お口の細菌と糖尿病

ブラッシングが不十分だと歯肉溝中で歯周病菌が増え、歯周病が起こります。

歯周病原菌が増えると、それに伴って菌の成分が血液に流れこみます。流れこんだ成分は生体の細胞を刺激していろいろな活性物資を作らせます。このことが全身にいろいろな効果をおよぼします。

その活性物質のひとつ、TNF α(tumor necrosis factor α)という物質は、糖尿病にも関わっていると考えられています。

血液中の糖の濃度をコントロールしているホルモンをインシュリンといいます。糖尿病はこのインシュリンによる血糖のコントロールがおかしくなる病気で、インシュリンの産生が低下している場合と、細胞がインシュリンに対して反応しづらくなる場合とがあります。

最近の研究で、細胞がインシュリンに反応して血流中の糖を細胞内に取り込み、血糖値を下げる反応を、血中のTNF αが阻害することがわかってきました。このため、インシュリンに対して反応しづらくなっているタイプの糖尿病では、治療により歯周炎がおさまると血中TNF αが減少し、血糖値が安定しやすくなることが示されています。

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