お口の中の細菌と心血管系疾患

最近、歯周病の程度と心血管系の病気との間に関連があることが報告されています。これまで動脈硬化や冠動脈の疾患は、高血圧・血中コレステロールの上昇・喫煙などからひきおこされているとかんがえられていました。しかし、これらの危険因子とは無関係な人でも発症することから、何かべつの因子の存在が予想されていました。そのひとつとして、微生物の感染がクローズアップされてきたのです。肺炎クラミジアによる肺炎後、血流を通って血管壁に感染したクラミジアを追い出そうとする体の防御の過程が動脈硬化症を起こすといった仮説です。

このメカニズムによれば、歯周病原菌も血液中に入りこむことによって動脈硬化症の原因となりえるのです。実際、アテローム性動脈硬化症の患者さんの病巣から歯周病原菌が検出されています。さらにプルフィロモナス・ジンジバーリスなどの歯周病原菌が動脈壁に付着し、その作用で血小板が固まって小さな塊を作った後、それがはがれて血流中に入り心冠動脈につまってしまうことも考えられます。

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